人生で訪れる３つのキャリアの転換期

今までのあなたのキャリアを振り返った時に、
「あれは自分にとって大きな変化だったなぁ」
と感じる出来事がありますか？

人生の中では、大きな変化が起こる「転換期」があります。
もちろん、この転換期は仕事の中でもあります。
そして、この転換期がいつ訪れるのかは、人によって違います。

ただ、多くの人に共通して訪れるような転換期が３つあります。
そして、これらの転換期は「自分らしさ」にも関係があるのです。
今回はそんな人生で訪れる３つのキャリアの転換期についてのお話です。

人生で訪れる３つのキャリアの転換期

人生で訪れる転換期のことをトランジションといいます。
このトランジションの中で、多くの人に共通して訪れるものが次の３つになります。

●20歳前後の転換期
●30歳前後の転換期
●40歳前後の転換期

それぞれを見ていきましょう。

20歳前後の転換期

20歳前後は、大人の世界への第一歩を踏み出して、大人になるための基礎を作り上げあげていく時期です。
多くの人が就職をして、大人として社会に飛び立つ時期ですね。

この時期には、未成年時代に形成した自分を見直して、修正することを迫られることが多くなります。
時には、未成年時代の自分にとって重要だった人物や集団などとの関係を終了する、もしくは修正することも必要になります。

この転換期を乗り越えることができると、今までは親や周りに守られてきた環境から、自分で道を切り開かなければいけないという自覚が芽生えます。
そして、大人としてのアイデンティティ（自分らしさ）を確立していけます。

ただし、この時期には次の２つの状態に陥りやすくなります。

（１）アパシー
他人と比較して、自分が劣っているように感じて、無力感や無価値を感じてしまう状態です。

（２）離人感
「自分の考えが自分自身のものであると思えない」「自分をいつも上から見ている」といった自分が自分であると思えない感覚に陥ってしまう状態です。

30歳前後の転換期

大人の世界に入って築いてきた生活構造を修正して、第二の生活構造を作り上げる時期です。
多くの場合は、仕事でもプライベートでも大きな変化に見舞われ、その対応を迫られます。

たくさんの可能性が広がっていると感じていた20代が終わり、仕事でもプライベートでもさまざまな制約を感じます。
例えば、キャリアとプライベートの両面で真剣に１つの選択を迫られるような経験です。

そのため、30歳を超えると自分の可能性が限定されるような恐怖や不安を感じます。
そうなると、「焦燥感（焦り）」や「無力感」を感じるという問題を抱えやすくなります。

この中で重要なのは、
「この時期にした選択が自分のやりたいことや能力（強み）などの自分らしさと一致すれば、満足度の高いキャリアを築いていくことができる」
ということです。
逆に選択を誤ると、その後のキャリアに悪い影響が出てきます。

30歳前後の転換期はとても重要な転換期なのです。

40歳前後の転換期

自分の生活のあらゆる面に疑問を抱き、自分と向き合い、自分自身の模索や葛藤を通して、「真の自己」との折り合いをつける時期です。
人生の後半戦をキャリアとプライベートの両面で、どうしていくかを現実的に考えなければいけなくなります。

自分の限界を知って、それを受け入れる葛藤を乗り越えて、自分と自分の周りとの関係を肯定していくことを迫られます。
新しい道を切り開くか、今までの道を修正するかの選択をして、何を優先するかを決めなければいけません。

ただ、この時期は変化を恐れて、自分が安心できることのみを頑固に繰り返そうとしやすくなります。
そうなると40歳前後の転換期を乗り越えられず、50歳にまた転換期を迎えることになります。

30歳前後の転換期に自分らしいキャリアを選択することが重要

「20歳前後の転換期」「30歳前後の転換期」「40歳前後の転換期」の３つの転換期の中では、30歳前後の転換期がとても重要です。

30歳前後の転換期には、自分のやりたいことや能力（強み）などの「自分らしさ」と一致したキャリアの選択をすることが必要になります。

これがうまくできると、その後のキャリアの満足度は高くなります。
しかし、そうでない場合は不満を抱えて仕事をし続けることになります。

そのためにも、自分のやりたいことや能力といった「自分らしさ」を30歳前後の転換期には知っておくことが必要になるのです。

あなたがもし30歳前後の転換にいるのであれば、「自分らしさ」を理解できていて、正しい選択ができるかどうかを振り返ってみましょう！

まとめ

◇人生はたくさんの転換期があり、それは仕事の中でも起きます。
◇その転換期の中で、多くの人に共通して表れる３つのキャリアの転換期があります。
　それが「20歳前後の転換期」「30歳前後の転換期」「40歳前後の転換期」です
◇この中では、「30歳前後の転換期」がとても重要です。
◇「30歳前後の転換期」に、自分のやりたいことや能力といった「自分らしさ」に基づいた正しい選択ができれば、満足度の高いキャリアを築くことができます。
◇そのため、「自分らしさ」を30歳前後の転換期には理解しておくことが重要になります。

キャリアコンサルタント
浦田 大暁 （うらた ひろあき）

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